社員インタビュー

Interview

安全でおいしい水を届ける。
データを読み解く力がプラントの運転に役に立っています。

串田 隆佑

2018年入社

西日本営業部 船津事業所

植物の葉っぱの形の意味をデータを集めて分析しました。

両親が動物に関わる仕事をしていたり、家族でよくアウトドアをしていた影響で、子どものころから虫や植物に親しみながら育ちました。自然の豊かな土地にあこがれて高校卒業後は北海道の大学に進学し、生態系を学ぶコースを選びました。

修士論文ではハシドイという植物について、葉っぱの形と光合成の関係についてデータをもとに調べました。植物の光合成は午前中が活発で、葉緑体のデンプンがいっぱいになるお昼ごろに抑制されることが知られていますが、ハシドイは南向きに比べて東向きの葉の表面積が大きくなっていました。これにより立体的な葉を方角によって広げたり折り畳んだりして、効率よく光を吸収していることが推察されました。

日光の量を測定するため、日の出から日没まで屋外で調査したこともあって大変でしたが、忘れられない研究の思い出です。また、学生時代の6年間は牧場で牛の搾乳のアルバイトをするなど、研究以外にも貴重な経験ができました。

専門性よりも理想の働き方を重視して民間企業に就職しました。

修士論文と並行して就職活動も進めていきました。最初は、自然保護や野生動物対策といった分野で学んだ知識が生かせるのではないかと思い、地方公務員やJAなどの採用試験を受けました。ただ、そうした仕事のほとんどが事務職で、現場に出て働きたいと思っていた自分の希望とはギャップも感じていました。

そうしていたときに大学の就職支援課からデータベースを紹介してもらい、帯広市内の事業所に職場見学にうかがいました。印象的だったのは、2018年に起きた北海道胆振東部地震ときの話でした。全道的な大規模停電で浄水場も停電したものの、水道が断水しないように施設を動かし続けたという社員さんの話を聞いて、非常に感銘を受けました。

水質検査や施設の点検といった現場作業も多いということで、自分がイメージしていた働き方にも合っていると感じました。いずれは地元の岡山県にUターンしたいという気持ちもあったので、全国に拠点があったことも魅力になりました。

データをもとに施設をコントロールしています。

現在、私が勤務しているのは姫路市にある船津浄水場です。ここは兵庫県の浄水場で、きれいに処理した水を姫路市などの水道施設に送っています。入社後は水質検査、設備の点検、プラントの監視といった仕事をしながら、日々のオペレーションを学んでいきました。

現在は浄水場の運転をある程度任されていて、送水の操作などをしています。水の使用量を予測しながら送水量を判断するのですが、1日の中でも夕食前の時間帯は使用量が増えたりするので難しさがありますね。今後は電気工事士や危険物取扱者といった資格を取って、仕事の幅を広げていきたいと思っています。

浄水場では水質のデータや計器の数値をもとに、水の状態を判断したり、水の需要を予測しています。論理的な思考力や分析力が求められますが、そこでは学生時代の研究の経験が役に立っていますね。化学や水処理に関する知識はありませんでしたが、物事のメカニズムや仕組みを探求するのが好きなので、楽しみながら仕事に取り組めています。

就活生へのメッセージ

自治体などから浄水場や下水処理場を預かり、運転や管理をしているのが私たちデータベースです。蛇口を開ければいつでもおいしい水が飲めて、台所やトイレの排水をきれいにして川や海に返すという、当たり前の日常を支えています。生活に欠かせないライフラインに関わっていて公共性も高いので、やりがいや安定感を感じられる仕事です。

浄水場は24時間・365日動いている施設なので、私の職場では1か月に2~3回のペースで夜勤があります。私は夜の仕事も苦手ではないのですが、夜勤の日は昼間に睡眠を取ったりしてコンディションを整えています。

休日は週休2日でしっかり休むことができます。土日が必ず休みというわけではありませんが、自分の予定に合わせて休みの希望が出せるので、自分にとっては便利ですね。連休を取ることもできて、これまでに最大4連休をもらったことがあります。責任の大きな仕事ですが、プライベートの時間も大切にして働くことができています。

これから就職活動を始めていくと、いい結果が出ずに落ち込むこともあるでしょう。私も不採用通知をもらったときは、やっぱりショックでした。ただ、内定をもらえなくても、その企業が求める適性に合わなかっただけで、自分自身が否定されたわけではありません。何事も前向きな気持ちで取り組んでほしいと思います。

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